草花を日差しから守る
夏の強光から植物を守るには、一般的で安価な黒の遮光ネットを用います。ただし、あまり遮光率の高いものを使用すると、植物の生育に必要な光まで失われてしまいます。環境にもよりますが、草花では遮光率40~60パーセントくらいのものでよいでしょう。観葉植物も種類や環境により異なりますが、戸外で管理する場合は遮光60~80パーセントくらいのものを使います。
下の画像は、戸外に置いたゼラニウムの鉢に、遮光率60パーセントの遮光ネットをかけた場合の比較です。かなり日差しが和らいだのが、おわかりいただけると思います。
菜園の作物を守る

ラメ糸が織り込まれた防虫ネット
防虫には、トンネル支柱などを使って寒冷紗を掛ける方法もありますが、トンネル内部に熱がこもってしまうので注意が必要です。夏場は通気性の高い「防虫ネット」がよいでしょう。虫が嫌うというキラキラ光る糸を織り込んだものや、遮光性のある製品もあります。
冬の霜よけ、防寒などには、遮光率の低い白の寒冷紗を使います。保温資材としては、不織布も適しています。
窓辺の日差しを遮る

こちらでは、すだれと緑のカーテンのWで遮光
ただし、遮光率が高くなるとその分部屋の中は暗くなってしまうという点は、頭に入れておきましょう。その辺りを克服した商品も出回っていますが、先に述べたように割高になってしまうので予算との兼ね合いに応じて選びます。
設置のポイントとしては、対象物(この場合は窓など)から少し離して掛けることです。ピッタリくっつけてしまうと通風も遮られますし、ネットに当たった熱が伝わってしまいます。
設置しやすいようにハトメのついたものを軒から下げたり、グリーンカーテン用の支柱資材も利用できます。園芸用遮光ネットは軽いので、風で煽られたり飛ばされたりしないように、しっかり固定しましょう。
補足・不織布について
不織布とは、繊維を織らずに絡み合わせ、熱や化学処理でシート状にしたものです。日用品としては、マスクや様々なフィルター製品などに使われています。園芸用としては、菜園のベタ掛けシートなど防寒、防霜の目的で使われます。寒冷紗より保温性は高いですが、耐久性は劣ります。また、遮光性は弱く、製品には遮光率ではなく、透過率(どれだけ光を通すか)で書かれていることが多いです。
まとめ

遮光率は植物の種類や環境に合わせて
かつて寒冷紗が担ってきた役割が、時を経て遮光ネットや不織布、さらに機能性を持たせた新しい被覆資材へと徐々に移行しているようです。
さて、最後に遮光についてですが、自分の庭やベランダ、菜園などでどの程度の遮光率のものが適しているかは、各々の環境が異なるため実践して探っていくしかありません。資材を扱い慣れている農家さんでさえも、せっかくネットを張ったのに遮光率が高すぎたとか、予想より遮光率が低すぎたので二重掛けにした……など試行錯誤をしているのです。
寒冷紗 〈白〉 - 180cm 1m単位カット品